Introduction

Cardanoのサイドチェーンとして開発が進んでいる”Milkomeda”。EVM互換の実装をはじめ、Cardanoに様々な機能拡張をもたらしてくれる素晴らしいプロダクトに注目が集まっています。今回はこのMilcomedaがユーザーに対して一体どのような体験をもたらしてくれるのか見ていきたいと思います。

EVM互換

まず現時点でCardanoが抱える課題として、スマートコントラクトのコーディング言語がHaskellと呼ばれる決してメジャーとは言えない言語である点が挙げられます。勿論HaskellにもメリットがあるのでCardanoはその言語を選択している訳ですが。しかしながらブロックチェーン業界での主流言語は、皆さん非常に馴染みのある“Ethereum”で使用されている言語“Solidity”となります。Cardanoがこの先エコシステムを拡大していく為には、このSolidityでコーディングされたスマートコントラクト・分散型アプリケーション(DApps)を実装できる”EVM( Ethereum Verturl Macine)互換”は避けては通れない道となっています。それを可能にするのがこのMilkomedaサイドチェーンになります。
 

 

オートマチックのブリッジ

MilkomedaはCardano、Solana、Algorandのサイドチェーンとして機能するものとなります。EthereumとPolygonの関係のようなものです。しかし決定的な違いとして、Milcomedaでは”ブリッジ作業がフルオート”である点です。Polygonを使用したことがある人であればお気付きかと思いますが、通常このブリッジ作業はユーザー自らが手作業で行う必要があり、かつサイドチェーン上で使用される独自トークン(Polygonであれば”Matic”)を所持する必要があります。”このブリッジ作業が新規参入者の高い障壁になっている”ことは多方面から指摘されております。一方Milcomedaでは、CardanoではADA、SolanaではSOLを所持していれば”EVM互換”へ自動的にブリッジされSolidityベースのスマートコントラクト・Dapps(分散型アプリケーション)のサービスを利用することが可能となるのです。これはユーザーには圧倒的な扱い易さの体験を与え、開発者にはEVMの既存のDeFiやNFTコードをそのまま移植することができ、非常に大きなインパクトを与えるものとなります。 
  

ファイナリティー

”ファイナリティー”とは決済完了後に、最終的にその取引が覆ることがなく完全に確定する状態のことを指します。ビットコインの場合ファイナリティーとして6ブロック生成でファイナリティーを確率的に満たせるという見解が一般的であり、決済時間もそれに伴い約10分程を要します。Cardanoネットワークにおいてはこれが20秒まで短縮されますが、Milkomedaでは”2秒”という驚異的なファイナリティータイムを実現するとのことで、決済スピードやDApps稼働スピードにメリットが出て来るものと思われます。TPS(Toransaction)に関しての詳細はまだ出ていませんが、1ブロックに500txsの実装例が出ており、これが16.2%と表示されているので単純計算で3,086txs/ブロックということになります。スケーリングに関しては”Hydra”と呼ばれる他のプロジェクトが進捗している為、その進捗により大幅改善される為、そこにこのファイナリティーのスピードが乗るとなると非常に楽しみです。

ホワイトペーパー:Introduction – Milkomeda (gitbook.io)

これによりCardanoエコシステム内のADAの流通量の拡大に繋がり期待が高まります。現時点でCardanoにはEthereumエコシステムのようなDeFiは全くない状況です。そこにこれからDeFiサービスがローンチすることで、どれほどのADAの流通量の増加に繋がるか楽しみでなりません。

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